ガウディとサグラダファミリア展に行ってきました
- 2024.02.13
- ブログ
こんにちは、建築家の尾関広臣です。
今回は名古屋市美術館でやっている「ガウディとサグラダファミリア展」に行ってきました。
サグラダファミリアは
圧倒的造形美や建築家の死後100年経っても完成していないストーリー性などから、
完成途中にも関わらず世界遺産になっていたり、観光客も年間400万人と多くの人を魅了しています。
自分もそんなガウディの人生や考え方などはとても気になります。
ちなみに完成は2026年予定だそうです。
一部を除いて、写真撮影が禁止されていましたのでアップするのは2枚ぐらいしかないのですが、
美術館にはガウディ直筆のメモや平面図、立面図や模型などもあり、盛りだくさんになっています
ガウディは造形モチーフを自然の有機的なフォルムから得ているのですが、
参考にしているだけあり外観や内部などの造形はとても独特なものになっています。
それらを建築物として具現化するにあたり、
その独特な造形をどのように現場にいるたくさんの職人さんに伝えるか?
機能的にするためにどうしたらいいか?
などのガウディ―の努力と苦悩が見れました。
上の画像はガウディと言ったら「逆さ吊り実験」というぐらい有名な実験で、
紐にたくさんおもりをぶら下げ、その時出来た曲線が自然が教えてくれる、無駄のない力の伝わり方になります。
そして、その形を上下反転させることで構造体としました。この実験に10年の歳月をかけたそうです。
上の画像は平曲面(双曲放物線面)
ガウディが求める造形はとても独特で図面にするのも難しく、しかし、どうにかして現場の作業員には指示しなければならない
そこで考えたのが、平曲面(双曲放物線面)で、簡単に言いますと直線(二次元)で曲面(三次元)を表現するという事です。
この方法は初めてガウディが建築に採用して、現代でもこの考え方は建築で使用されています。
最後に上の画像はガウディ考案の「二重らせん柱」
歴代の建築様式を継承しつつ新し形を求めた柱です。
一番下が6星形になっていて、回転しながら上に行くにつれて、12星形、24星形になっていき一番上で円に近くなる仕組みです。
今回紹介したのは3つですが、
他にも、ガウディ―は自分の感性を具現化するために模型や幾何学を多く使用しています。
ガウディの死後10年後にスペインにて内戦が起き、図面や仕事部屋は焼き払われてしまったが、
幾何学や比率などガウディの建築ルールが建築途中のサグラダファミリアには散りばめられていて
それらを理解し継承する事で完成に向かっているそうです。
独自の哲学を持ち合わせている芸術家の側面を持ち、人々が実際に使用できるようにする建築家の要素を持ち合わせているガウディ、
構造、施工、金額、工期いろいろな条件に妥協せず試行錯誤するガウディの建築家の部分が垣間見れて面白かったです。