大阪・関西万博のスイスパビリオンが面白そう
- 2024.03.11
- ブログ
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに
2025年4月13日~2025年10月13日の184日間 大阪 夢洲(ゆめしま)で開催される大阪・関西万博
植物の中に球体が転がっているフォルムでファンタジーの世界観のようなスイスパビリオンが気になったので、
スイスパビリオンから出ているファストブックを読んでみました。
見た目もさることながら、サステナブルを考えられた作り方がとても興味深かったので
簡単ではありますが紹介いたします。
スイスパビリオンのテーマは
「生命(ライフ)」
「地球(プラネット)」
「人間拡張(オーグメンテッド・ヒューマン)」の3つです。
大阪・関西万博においてエコロジカルフットプリントが最も小さいパビリオンを目指すらしいです。
※エコロジカルフットプリント=人間が自然環境に与える負荷
スイスパビリオンのサステナブル
その1:軽量
「展示用構造物の膜材料の総重量は300~400 kg
以下と、従来の建物外壁のわずか1%であり、運搬用自転車2~3台で搬送可能です。一方、最も重量があるの
は植物です。そこで、日本で苗木を早くから育てることで、会場に運び込む植物の重量1 kg当たり1 kgの二酸
化炭素を大気中から取り除くことができます。」ファストブックより
外壁に使用する膜などの材料を軽量化にすることで搬入や建設時の二酸化炭素排出の削減を可能にしています。
また、使用する植物はスイスでも人気が高い藤で、着工の1年前から日本で苗木から育てるみたいです。
その2:リサイクル
外観に使用している膜はフッ素系プラスチックのETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)で
万博終了後は、家具メーカーと共同で開発・デザインして家具にリサイクルされる予定です。
構造材や床材に使用される、鉄骨やCLT(Cross Laminated Timber / 直交集成板)などもリサイクルが可能で、
そして、珍しい事に基礎がコンクリートではなく、プラスチックタンクに砂、海水を入れたものを計画しているらしく
基礎もリサイクル可能で、建物のほとんどがリサイクル可能になっています。
その3:モジュール構造
サイズを規格化や比率を合わせたり、統一する事で材料の使いまわしを可能にしています。
今回に関しては一部になりますが、使いまわしている部材もあるそうです。
そして、解体後も別のプロジェクトで使用する事が可能です。
その5:メンテナンス頻度の低減
膜の補修は、一般的な透明の粘着テープで簡単に行うことができます。テフロンに由来す
るETFEフィルムは、表面に自浄機能があるため、洗浄は最小限の手間で済み、高価な補助器具や化学薬品も
不要です。ファストブックより
上記はほんの一例ですが、運用に関する経費やエネルギーの削減にも目を向けています。
建築物においてサステナブルは大半が目に見えないところにあり、目で見たり肌で感じたりすることは難しいですが、
今以上に必要とされることです。
自然環境にやさしいスイスパビリオン!
完成が楽しみです。